「歯ぐきの腫れ」、がまんしてませんか?

投稿日:2021年11月4日

カテゴリ:未分類

こんにちは、歯科医師の豊田です。

新型コロナウイルスの感染者数もかなり減り、
行動の自由がだいぶ緩和され、
コロナ禍前の生活に戻りつつある方もいらっしゃると思います。

ただ、最近は、だいぶ冷え込んできましたので、
お出かけの際は体調にお気を付け下さい。

さて、緊急事態宣言等で行動の自由が制限している時、
「歯ぐきが少し腫れてるけど、痛みすぐ消えたから、
歯医者行くのは、またにしよう!」
と、受診を控えられていた方はいませんでしょうか?

「痛みが小さい」「痛みがすぐ消える」という事が、
イコール「軽症」と思われてる方も多いと思います。

実は、「痛みが小さい」「痛みがすぐ消える」というものの中には
、「すぐに治療が必要」なものも含まれることがあります。

そういった症例を今回はいくつかお話します。

①根尖性歯周炎
これは、虫歯(う蝕)を放置したあと、
歯の神経の炎症(歯髄炎)に移行し、
歯の神経の管(根管)の根元(根尖)から周囲の骨に
細菌感染が進行した状態の炎症です。
たいていの場合は、根尖性歯周炎を発症すると
「大きな痛み」「長く続く痛み」が生じるのですが
、無症状のまま経過してしまうことがあります。
それは、細菌がゆっくりと骨の中の膿の袋ので大きななったり、
歯ぐきの外に膿の出口ができると、化膿しても
すぐに膿が出てしまうので、
痛みが全く出ないこともあるのです。
この根尖性歯周炎が進行すると、
根の治療(根管治療)だけでなく、
歯ぐきを切開して開いて膿の袋をとる処置(嚢胞摘出術)が
必要になるだけでなく、最悪の場合、
抜歯が必要になることもあります。

②歯が折れる(歯の破折)
2つ目の放置しておかない方が良い軽症の歯ぐきの腫れは、
歯の破折です。皆さんは、歯が折れる(歯の破折)と
「グラグラして、すぐ気づくのではないか?」とお思いではないでしょうか?
もちろん強い痛みを訴えられて、受診される方もいらっしょいますが、
定期検診の際、「歯ぐきに違和感があるので見てください」と
患者様からお話を伺って、診察させて頂いたところ、
「残念ですが、歯が折れてます」とご説明する場合があります。
歯が折れていても、折れ方やそこからの感染の程度によっては、
抜歯しないで歯を残せる可能性もあります。

皆さん、「痛みが小さいから」「痛みがすぐ消えたから」という理由で
「歯ぐきの腫れ」を甘く見ず、是非お気軽にご相談下さい。

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