「前歯で食べ物が噛みきれない」というお悩みの方へ

投稿日:2021年6月7日

カテゴリ:未分類

こんにちは、歯科医師の豊田です。
梅雨入りはが遅くなって、最近は夏本番の陽気が続いてますね。
みなさん熱中症に気をつけてお過ごし下さい。

さて、今回は「前歯で食べ物が噛みきれない」という
お悩みを抱えていらっしゃる患者さんに
その理由となるいくつかの可能性をご説明したいと思います。

理由としては、以下の可能性があげられます。

①開咬
②上顎前突
③下顎前突
④歯の動揺
⑤顎関節脱臼

聞きなれない方もいらっしゃると思うので
1つずつ解説していきます。

①開咬
元々の歯並び影響で奥歯だけでしか噛めておらず、
元々上下の前歯があたらない状態をいいます。
本人が気にしなければ特に異常を感じないので、歯
医者さんで「開咬のという状態ですね。」と突然
指摘されることがほとんどです。
ただ、重度の方は奥歯しか噛めていないので、
奥歯に負担がかかって慢性的な歯痛が生じたり、
噛み合わせが安定しない等の影響で顎関節症を
併発していることもあります。
治療方法としては、矯正治療もしくは、被せ物治療となります。

②上顎前突
上の前歯が下の前歯より前に出ている状態のことをいいます。
俗に言う「出っ歯」という状態です。
上の前歯は下の前歯よりも少し前にあって、
両方の奥歯で噛んだ状態で少し重なるのが
理想的な状態と言われております。
そういった理想的なかみ合わせだと、
両方の奥歯で噛んだ状態から
少し顎を前に出すと前歯と前歯が噛み合って
「前歯で食べ物が噛み切れる」状態になるのです。
しかし、上顎前突の方は、上の前歯が下の前歯よりも
かなり前にある状態なので、
顎を前に出しても前歯で噛めません。
そのため、「前歯で食べ物が噛みきれない」
という状態が生じます。
この場合も、治療方法としては、矯正治療もしくは、
被せ物治療となります。

③下顎前突
下顎前突とは、上述したような理想的なかみ合わせと比較して、
上顎前突とは逆に、上の前歯が下の前歯よりも
後ろにある状態をいいます。
状態が軽度であれば、顎を少し引くと前歯と前歯で
噛むことができますが、骨格の構造上、
顎は前には大きく出せますが後ろにはあまり動かせません。
(実際にみなさんも試して見てください)ですので、
下顎前突の方は基本的には、
前歯で噛むのは難しいかみ合わせと言えます。
この場合も、治療方法としては、矯正治療もしくは、
被せ物治療となります。

④歯の動揺
「動揺」とは、俗に言う「歯がグラグラする」
という状態を表します。
歯が動揺していると歯と歯をかみ合わせても
噛む力が伝わらず噛みきれない事があります。
歯の動揺する要因としてはいくつかあり、
それに合わせて治療が必要になります。
要因が歯周病であれば、歯周病の治療が必要になりますし、
かみ合わせであれば、かみ合わせの調整が必要になります。

⑤顎関節脱臼
顎の関節は口を開けすぎたりすると脱臼することがあります。
一度脱臼すると癖になり、何度も繰り返すとも言われています。
顎が脱臼すると口が閉じなくなり前歯で噛めない状態になります。
この場合は、歯科医院もしくは整形外科で整復治療を、受けてください。

ここまでお話させて頂いた以外にも、
「前歯で食べ物が噛みきれない」という症状の誘引はあります。
もし、原因が分からないとお困りの方は、お気軽にご連絡下さい。